福島県の内陸部にある田村郡三春町出身だが、幼い頃からテレビで見ていた『海』の仕事に興味を持った。東日本大震災があって半ば諦めていたが、30歳を目前に人生の節目でやりたかった漁師になりたいと思った。姉のお陰でインターネットから「みやぎ漁師カレッジ」を知った。カレッジの研修で収入が安定しているカキ養殖業に興味を持ち、海外にも商品を出荷している南三陸オイスターに就職を決めた。
令和3年9月に宮城県漁協の正組合員になった。個人で船外機船を購入し、養殖作業だけでなく仕事の合間に刺し網漁やアワビの開口にも行っている。刺し網漁等を通じ、自分の力で収益が上げられるようになったことが楽しい。自分で操船しながらアワビを取ることは大変だが勉強になる。
独立自営は大変なことだと分かった。将来、養殖漁場を手に入れ、目先の目標を一つ一つクリアしながらやっていきたい。自分は人見知りなので漁協青年部に入ってからや、他の漁業者と助け合うときが少し不安だが、がんばっていきたい。
漁業の世界は3K(きつい・汚い・危険)だと思ってきた。覚悟を決めていたのでそんなにつらくはない。
簡単な仕事ではない。つらいのが当たり前。親方に迷惑をかけないように覚悟して来て欲しい。ただし、やらないで後悔するよりもやって後悔するほうがずっといい。自分も父や姉は賛成し、母や祖母からは危険だからと反対されたが、自分自身で決断した。自分のことはしっかり自分で決めるべきだと思っている。
(作成日:令和3年12月)
平成30年度みやぎ漁師カレッジ長期研修
第2期生(前列右端が渡辺さん)
定年での退職がなく、健康なら一生働ける漁師は魅力的だった。また、漁師の仕事には子どもの頃から興味があった。
全国漁業就業者確保育成センターのホームページで「みやぎ漁師カレッジ」を知り、船酔いが心配ではあったが、自分が漁師という仕事に通用するかの確信を得るため応募した。漁師カレッジではいろいろな漁業・養殖業の現地研修ができ、自分の進みたい道を選べることが良かった。
平成29年度みやぎ漁師カレッジ長期研修第1期生(前列の右から2人目が津軽さん)
宮城県主催の「漁業就業支援フェアin仙台」に出かけ、ブース出展者であるノリ養殖業者の「恵比寿グループ」から熱心なお誘いを受けお世話になることとした。漁師カレッジ長期研修修了後の平成30年1月から同企業体に就業した。
漁場を目指して
生産期はほぼ休みなしで休日は天候に左右され予定が立てづらい。会社勤めの感覚ではやっていけないが、その感覚を捨てれば大丈夫。勤務時間も短くて良い。将来的な自分の目指す道が叶えられそうだし、若い人の多い職場で活気があり、さらに良い親方に巡り合えたのが嬉しい。ノリ養殖の一サイクルを経験し、コンビニのノリ巻きやおにぎりを見る目が変わった(商品に使われているノリを生産し製品にするまでの俺たちの苦労、努力が・・・)。
海苔の摘採は寒く暗い内から始まります
稼げる漁師を目指したい。命を張る仕事である限りは、稼げなければ意味がない。そこそこの収入なら陸の仕事でも良いと思う。将来、資金的に余裕ができたなら自分の船を持ち独立したいと思っているが、先ずは周りの人たちの信頼と理解を得て、准組合員やがては正組合員になりたい。
若くて元気な同僚と
担い手が少ないということは、逆に、参入できるチャンスがあるということ。やる気と興味のある方は、是非チャレンジして欲しい。やらないで後悔するより、やって後悔する方が良い。
一年間良く頑張り、努力し、良い仕事ができている。周りを良く見て学ぶ姿勢が良い。やればやるほど魅力のあるこの仕事に就いて本当に良かったと思えるよう、さらに頑張って欲しい。応援する。
(作成日:平成31年3月)
恵比寿グループ坂本代表(左側)と
「趣味は釣り。ジェットスキーなどで網地島を訪れるうちに移住したい思いが強くなり、「この場所に住めば、大好きな釣りができる!」という憧れから、一戸建てを購入し移住することを決めました。」
「移住してからは、「宅配便の配送・集荷」や「海水浴場(海の家)の運営」などで生計の一部を賄っていました。島で出会う人々との挨拶を欠かさず、人に媚びずに正直に過ごし、自分自身を見てもらおうと生活していました。そんな中、暮らしぶりを心配した島民から『ギンザケ養殖』の手伝いの仕事を紹介されました。」
地元漁師さんと歓談(中央が澤口さん)
「紹介された養殖の仕事を手伝う中で漁協事務所に伺った際に、短期研修を紹介されました。 もともと漁師を志していたので、漁師にとって必要な知識や心得を勉強するために参加を決めました。講師の授業はとても分かりやすく、漁業への興味がより深まり、漁師になりたい気持ちがより強くなりました。」
平成28年度 第1回 短期研修修了式
「平成29年3月に先輩漁師の推薦もあり准組合員になることができました。小さな中古船を持っていましたが、同年10月にFRPの2.2トン船(115馬力)を手に入れました。分からないことを先輩漁師から教えてもらったり、進水式に多くの島民がお祝いに駆けつけてくれたり、夏のアワビ開口時には初漁獲を祝ってもらうなど、地域の人たちに支えられていることを実感しています。」
昌佳丸全景
「努力するほど報われる漁師の仕事は、趣味の釣りを上回る喜びがあります。漁獲物をおいしいと喜んでもらえた時は特に充実した気持ちになります。数十年振りのマダコ豊漁の恩恵や、「今日は何が獲れるだろう。どのくらい獲れるだろう。」という、楽しみに満ちた日々を過ごしています。」
漁師カレッジ受講の様子
「ヒラメ刺網漁に挑戦したいです。あとは地元の人々から「漁師は結婚して一人前」とよく言われるので、お嫁さんを探したいです。」
人より努力しなくては、良い漁師になれないと思っています。漁師は、努力を続けることで喜びや達成感を得られる最高の仕事です。
(作成日:平成30年3月)
漁師カレッジの講師とともに